面白4

【親子談義】

息子「久しぶりに父さんをラーメン屋に誘ったんだけど遅いなー。一風堂って言ってあるんだけどなー。」

父「おーい!」

息子「あ、父さんだ!こっちこっち!どうしたの?遅かったじゃん。」

父「ごめんなー、だめな父親で……。」

息子「いやいや、そこまでは気にしなくていいって。」

父「こういう店は彼女とよく来るのか?」

息子「そんな彼女なんていないよー。」

父「いいよ、隠さなくて。いるんだろ?」

息子「う、うん。いるよ。」

父「いいなー、21歳。青春だよなー。」

息子「そう?」

父「ああ、いいとも。春を売ると書いてセイシュン。」

息子「それは売春だろ!何言ってんだよ。とりあえずなんか頼もうよ。」

父「じゃあ俺は普通のカップラーメン。」

息子「あるわけないだろ!」

ウエイトレス「かしこまりました。」

息子「あるのかよ!」

父「でも、珍しいなー。お前から誘うなんて。」

息子「ああ、大事な話があるんだ。」

父「ま、まさか……俺は本当の父親じゃないとか!?」

息子「意味わかんねーよ!違うよ、将来の事だよ。僕さー……音楽やっていこうと思って。」

父「なに?聞こえなかったよ。もう2回言ってくれ。」

息子「せめて次で聞く努力しろよ!だからー、音楽をやっていきたいの!もうここまでやってきたわけだし。」

父「そうかそうか、俺は賛成だ!ただし父さんが何て言うか……。」

息子「お前は誰だよ!」

父「どうせならピッグになって帰って来い。」

息子「豚にはなんねーよ。」

父「あー、ウエイトレスさん。これをあちらのお客さんに。」

息子「え?なになに?なにをやるの?」

父「伝票。」

息子「伝票わたすなよ!」

ウエイトレス「かしこまりました。」

息子「またかしこまっちゃったよ。」

父「というのは冗談で、今日は父さんのワリカンだ。」

息子「ワリカンかよ!オゴリだろ!」

父「そうそうオゴリ。間違えちゃったよ。」

息子「悪いね。こっちから誘っといて。」

父「いいさ、気にするな。どうせ汚い金だ。」

息子「何やってんだよ!」

父「よーし、帰ろうかー。ところで俺はドラムでいいのか?」

息子「あんたとはやんないよ!」

【女友達からのお誘い】

友達関係から全く進展しなかった女の子から「今夜誰もいないから家に来ない?」って誘われた。

行ってみると確かに誰もいなかった。

【妻の真実】

仕事が早く終わって帰宅したら、妻の姿が見えなかった。

たぶん買い物だろう。

寝室で着替えている内に戻ったらしく、台所で音がしていた。

ここはひとつ、あの頃のようにお茶目に驚かしてみようか。

こっそり行くと、妻がマツケンサンバ歌いながら激しくステップを踏んでいた。

……うまいな。

梅酒らしきものあおりながら、焼き鳥を立ったまま食べる妻。

「う、う、うーまーうぃー!」

芸人並みのリアクションを繰り出し、またマツケンサンバ。

「はい、ここでキュッキュッ!」

「は~い、えいえい!」

もう意味不明な合いの手を入れながら、一心不乱に踊る妻。

出ていけなくて、しばらくそのまま見ていた。

【ひったくり】

先週、いとこのオカンがスクーターに乗った男に、犬のうんこ袋ひったくられたらしい。

世も末か。

【思春期の妹】

中学生の妹のことで困っています。

ここ最近、妹は風呂上りに毎回僕の部屋にやってきます。

脱衣所でしっかり体を拭いていないせいか、濡れたタンクトップに乳首が透けて浮き出ています。

視線を逸らしながら注意すると

「やっぱ妹のでも気になるんだ?」

と、俺をからかいはじめる始末です。

こんな調子で2、3時間も居つかれては堪ったもんじゃありません。

この高見盛そっくりの妹を退治するにはどうしたらいいのでしょうか。

【暗算】

昨日バイト先で、333円の買い物したやつが千円札を出してきたから、レジに打ち込む前につり銭777円をソッコー渡してやった。

俺の暗算の能力とそのスピードにすげえビックリしてたみたい。

【短気は損気】

「短気は損気だよねぇ。」

「え?」

「だから短気は損気だよねぇって。」

「え?」

「だから短気は損気って言ってんだろ!聞こえねえのかウスラハゲ!!」

【結婚報告】

友人F(♂)は近々結婚する事になった。

いま、その報告をするために上司の所へ向かっている。

と、横の通路から同僚K(♂)が出てきた。

F「お。K、どこ行くの?」

K「いや実はさ、今度結婚することになったんで、上司に報告行こうと思って。」

F「マジで?!俺も今度結婚するから報告に行こうと思ってたんだよ!じゃあ一緒に行くか。」

F&K「失礼します。」

上司「おう、どうした二人そろって?」

F「実はお話がありまして。いまお時間よろしいですか?」

上司「あぁ、いいよ。で?」

F&K「実は今度、僕たち、結婚する事になりました!」

上司「おぉうえぇ!?」

【めけめけ】

可愛がっていた猫の【めけ】が死んでから、もう半年。
ペットの葬儀屋に火葬してもらい、遺骨はずっと俺の部屋に置いてあった。

だけど最近、こう思うようになったんだ。
やっぱり埋葬してあげた方が【めけ】も喜ぶんじゃないかな、って。

だから今回、近所のペット霊園の合同慰霊祭に出すことにした。
合同といっても、広い御堂でちゃんとお坊さんが来てお経を上げてくれる本格的なものだそうだ。

手続き時、ペットの名前欄があった。
迷わずフルネームである【めけめけ王子3世】と記入する。

俺は最後列に座り、そのうちにお坊さんのお経が始まった。
だいだい参加者は50人くらいか。
ほとんどの人が喪服を着用していて、神妙な顔でお経を聞いている。

そしてそのうち、ペットの名前が1匹ずつ読み上げられ始めたのだが。

「ジョ~ン~、ベンジャミ~ン、あいちゃ~ん……」

この時点で、付き添いで来ただけとみられる数人の肩が震えだしていた。

マズいな~と思いつつ【めけ】の順番を待つ。

そして……。

「めけめけ~おうじぃ~、さんせぇ~……」

数ヶ所から「バフゥ!」って聞こえた。

【水戸黄門】

静まれーぃ!静まれーぃ!

この紋所が目に……静まれーぃ!

皆の者~、静まれっ!静まれっ!静まれーぃ!

このお方をどなたと……静まれーぃ!

ええぃ!静まれっ!静まれーぃ!

さきの副将軍、水戸の御老……し、静まれーぃ!

静まれーぃ!皆の者、静まれーぃ!

水戸……静まれーぃ!静まれーぃ!頼むから!

【鈴木】

久しぶりに洒落たレストランで食事してきた。

隣のテーブルにカップルが座っていて、そこにウエイターが料理を持ってきた。

ウエイター「すずきでございます。」

男「あ、久保田でございます。」

女「細谷でございます。」

ウエイターは、肩を小刻みにプルプル揺らしながら

「失礼いたしました。本日のおすすめ料理、魚のスズキでございます。」

【はじめての給油】

とりあえずガソリンを入れようとスタンドに行き、スタンド入り口で給油口がどっち側だったか下りて確かめる。

給油口を開けようとするも、なぜかボンネットを開けてしまう。

そしてもう間違えないぞと頷きながら今度はトランクを開けてしまう。

今度こそ、と思いながらシートを倒してしまう。

もう間違えない、と思いつつボンネットが浮いてしまう。

くっ……今度こそ!と気合を入れて給油口をあけるのに成功し「お客さん開きましたっ!」と女性店員に拍手されてしまう。

テレながら、またシートを倒してしまう。

【ボケないための本】

昨日じいちゃんが【ボケないための本】を買ってきた。

今日も買ってきた。

【大人のポケモン】

あまえる、くすぐる、かたくなる、したでなめる、のみこむ、はきだす、ちいさくなる、のしかかり、からみつく、みだれづき、しめつける、こらえる、はなびらのまい、だくりゅう、ふんか、しおふき、アンコール、ねむる
意味がわかったキミはもう立派な大人だ!

【職務質問】


俺よく職務質問されるんだ。

警察官「あんた真昼間から何やってるの?身分証明書を出して。」

俺「もってないです。」

警察官「免許証とかないの?」

俺「ないです、免許もっていませんので。」

警察官「嘘を付くなよ?普通免許ぐらいもってるだろ?」

俺「バイクも自動車も免許ないですよ。」

警察官「仕事は何してるの?」

俺「何もしてません。」

警察官「じゃあ、アルバイト先を教えてよ。」

俺「バイトもしてないです。」

警察官「じゃあ、何してるの?」

俺「何もしてないです。」

【バイリンガル】

ある会社が【事務員募集の広告】を窓に貼り出した。

『事務員さん募集!タイプができること、コンピュータに熟達していること、バイリンガルであること。当社は雇用機会均等法を遵守しています。』

ほどなくして、一匹の犬が窓の広告をジッと見たあと、中に入ってきた。

犬は受付係を見てしっぽを振り、広告のところまで歩いていくとスピーと鼻を鳴らす。

犬が何を考えているかわかった受付係が、事務所のマネージャーを呼んだ。

「え、犬?」
困惑するマネージャー。

だが犬といっても邪険に扱う事はできない。

マネージャーが事務所の中へと招き入れると、犬は椅子に飛び乗りマネージャーをじっと見つめた。

マネージャーが言う。

「お前を雇うことはできないよ。タイプができなきゃダメだって広告に書いてあっただろう?」

すると犬は、椅子から飛び降りてタイプライターの所へ行き、完璧な文章を打ち始めた。

そして打ち出したページをマネージャーに渡す。

マネージャーは驚いたが、椅子に飛び乗った犬に再び言った。

「コンピュータも使えなきゃダメだって書いてあっただろう?」

犬はまた飛び降りるとコンピューターの前へ向かった。

そして今まで動いたことがないプログラムをセットするや、完璧に実行したのである。

この頃には犬のポテンシャルの高さに、マネージャーも唖然としていた。

だが……。

「お前が賢いのはよくわかった。面白い能力を持っていることもな。でもやっぱり雇うことはできないよ。」

犬は椅子から飛び降りて広告の所へ行き『当社は雇用機会均等法を遵守しています。』と書かれている文章にお手をした。

それに対してマネージャーが言う。

「そりゃそうだが『バイリンガルであること。』とも書いてあるぞ?」

すると犬はマネージャーを平然と見つめ、こう言ったのだ。

「ニャー」

【金婚式】

結婚から50年経った老夫婦が金婚式を祝っていた。

夫が妻の方に体を傾け、優しく話しかけた。

「ひとつ尋ねておきたいんだ。ぼくたちが結婚する時、子供は野球ができるくらい欲しいと話したね?」

「もちろんよダーリン。こうして実現できたじゃない。」

「あぁ。でも気にかかっていることがあるんだ。九番目の末の息子、サミーが一人だけ他の兄弟とは身長や風貌がまるで違っているのに気づいているよね?」

(この質問は、私達の結婚生活に波風を立てることになるかもしれない。それでもわたしは、真実が知りたい。)

夫は意を決したように言った。

「九番目の末の息子は……父親が違うんじゃないかい?」

それを聞いた妻は驚いたように夫を見つめた。

そして長い沈黙のあと、妻は重い口を開いた。

「ええ……そうよ。九番目の息子の父親は、別の男よ。」

夫は予想していたこととはいえ、その事実に胸が張り裂けんばかりだった。

目に涙を浮かべながら夫は妻に問い詰めた。

「いったい、誰なんだい?九番目の息子の本当の父親は?」

「あなたよ。」

【黒魔術】

学生の時、貧しかったのに大家が家賃払えとか言うの。

んで、待ってもらったんだけど、毎日嫌味をねちねち言われる。

こっちは飯も我慢してるのに。

だから、もうやっつけちゃおうと思って。

先輩に悪魔呼ぶ方法聞いた。

「さぁ?ナマニクとか供えて、合わせ鏡とかすんじゃね?」

なるほど。

その日の夜すぐに合わせ鏡して、なけなしの金で買った生肉置いて、体育座りでずぅっと見てた。

で、気が付いたら朝。

翌日大家に「あんた、昨日外から見てたけど、ずっと何してたの?」って詰問された。

やばいって思って「あぁやると肉がいっぱい見えるんです!」って言ったわけ。

そしたら夜、すき焼きおごってくれて、部屋のカーテンも買ってくれた。

なんか急に優しくなって、家賃も待ってくれた。

黒魔術ってすごい。

【とんち】

息子が大好きなお饅頭食べてるとき、パパとママどっちが好き?と聞いたんだ。

そしたら少し考えてからお饅頭2つに割って「どっちが美味しい?」と俺に聞いてきた。

まじに一休さんの生まれ変わりかもしれない。

【おにぎり】

駅の待合室で座っている外国人のお兄さん。
大きなリュックを抱えているので、おそらく旅行に来ている人なのだろうが、少し様子がおかしい。

見ると、手にはセブンイレブンのオニギリ(シャケ)。
そのオニギリをくるくると回して色々な方向から見たり、ラベルにじっと顔を近付けて懸命に注意書きを読もうとしている外国人。

どうやら開け方が分からないらしい。
開け方を教えようか迷っていたら、突然「ん」と小さな声が聞こえた。

声の主は外国人の隣に座っていた、日本人のちっちゃなおじいちゃんだった。
おじいちゃんは自分を指差し、オニギリを指差し、外国人の目をじっと見て「ん」ともう一度言った。
「俺が開け方を教えてやる」というジェスチャーらしい。

外国人はおじいちゃんを見、オニギリを見、少し迷ってからオニギリをおじいちゃんに渡した。
おじいちゃんはそれをまた「ん」と呟いて受けとる。

おじいちゃんはまず、オニギリの真ん中のビニール(①と書いてある)を縦に途中まで裂き、「ん?」と外国人に確認した。
こくこくと頷く外国人。

次におじいちゃんはオニギリの両端(②と③)を持って横にくいくいと引っ張るジェスチャーをし、また「ん?」と確認。
こくこくこくこくとさらに頷く外国人。

真剣な顔が可愛い。

おじいちゃんは外国人が頷くのを確認すると、そこからはちょっともったいぶって、ズッズッとゆっくりビニールをずらしていく。

「オゥ……オォゥ……オゥ……。」
ビニールの動くのに合わせて小さく歓声をあげる外国人。

「んふ……んふふ…ふふ。」
そんな外国人のリアクションが嬉しくて、自然と笑みのこぼれるおじいちゃん。

そしてついに

バリリッッッ

「オオオオオオオオッ!!!!」

まっ二つに裂けるオニギリビニール。
ひときわ大きな歓声をあげる外国人。
おじいちゃん、そんな外国人に満面の笑顔、ニコーッ。

「アーッハハァー!ヒョウ!」
オニギリビニールが裂けたのが嬉しくて仕方の無い外国人。
何故かおじいちゃんの肩や腕をベタベタベタベタと触りまくる。

「んっふふ、んふふふふふ。」
クシャクシャの笑顔で、触ってくる外国人を肘でつんつんつんつんつっつき返すおじいちゃん。

本当に幸せそうで、俺もその日一日ずっと笑顔だった。


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