孫子の兵法
まず、はじめに覚えておいて欲しいことは
すぐれた指導者は軽率に戦争をはじめない。
非好戦的であらねばならないということです。
それどころか、下手に出て油断させたり信頼を勝ち取るものであります。
できうるならば戦わずして勝つことが究極の目標です。
兵法では戦争を簡単に起こすこと、長期戦による国力消耗を戒めている。
しかし、どうしても戦わざるを得ない場合に備えておくことも必要である。
兵は詭道なり
戦争はだましあいである。
ゆえに、能力があってもできないふりをし、必要だと思ってもいらないと見せかける。
近くにいても遠くにいるように見せ、遠くにいても近くにいるように見せる。
有利と思わせ相手を誘い、混乱させて奪い取り、充実している相手に対しては備えを固め、
強い相手との争いは避け、相手を怒らせ心を乱し、卑屈な態度で相手をおごらせ、
休養がとれている相手は疲れさせ、チームワークのとれている相手の仲を裂く。
相手の備えていないところを攻め、敵の不意をつく。
これが兵法家の勝利をおさめる方法であるが、あらかじめこうだと決め付けずに臨機応変に対応しなければいけない。
Flexibility is stronger than stiffness.
柔よく剛を制す
見えない敵と戦う時、巨悪と相対するとき、カルトと戦う時、常に頭の片隅に。
究極は戦わずして勝つことでありまする。
相手の内情の矛盾を突き、混乱させ、自滅させる。
或いは敵の敵を利用して戦わせ、自分の戦力を消耗する事無く相手を弱らせる。
要は相手の力を利用する事。戦わずに勝つ、という事です。
それは柔道の極意でもあります。
むしろ、敵にこの手を使われて、内乱で自滅する事のないよう気をつけねばならない。
<孫子の兵法6原則>
・相手の力を知り、自分の力を知る。
・相手の力を分散させて守勢に追い込む。
・相手の弱点を不意を突いて攻める。
・正攻法と奇襲の二つの作戦を組み合わせる
・守りは静かに、攻めはいっきにたたみかける。
・力に応じた戦い方を心がけ、変化に対応する。
孫子の兵法の概要
「孫子の兵法」といえば、かなり有名です。
古代中国に「孫先生」と呼ばれる2人の人物(孫武と孫臏)がおりますが、 著書「孫子の兵法」の著者は、孫武です。
能なるもこれに不能を示せ
~ 自分の能力を誇示するな ~
人間だれでも、他人に対して劣等感と優越感が同居しています。他の人より劣っていると思えば、他の事でこれは自分の方が優位に立っていると自慢したい気持ちもあります。 どちらも、度が過ぎると危険です。 自分ができないと思い続けていると、自分自身のモチベーションが低下し、何も手につかなくなる可能性があり、その反面、自分の能力を誇示しすぎると他の人達から「ねたみ」が生まれます。 ・・・何事に関してもほどほどがベストなのである。
用いるもこれに用いざるを示せ
~ やたらに手の内は明かすな ~
これは、ここぞという時の為に使う戦術である。 例を挙げて説明します。 例えば、どうしても欲しい商品があった時に値下げする戦術ともいえます。
この場合の注意点として、値下げさせたい訳だから、あたかも要らないようなフリをしながら値を下げさせるのが上等手段です。 その反面、あからさまに商品を欲しいという願望(本心)をさらけ出すのはとても危険です。
一点注意が必要で常にそういう態度をとっていると相手からも警戒されるのは、失敗は目に見えておりますのでその点を注意してやってください
近づくもこれに遠ざかることを示し、遠ざかるもこれに近づくことを示せ
~ 相手の心的盲点をつけ ~
これは、相手が思っている逆の事をついて、心理的に意表をつくことである。
通常、あまり活用する機会があまりないように思われがちだが、交渉、論争、相手を説得する際には十分活用できます。
よく敵を動かすには、これに形すれば敵必ずこれに従う
~ 力ずくでなく相手を動かすには ~
相手がどうしてもうごかなければならないような状況をつくり出し、力を使わずに相手をコントロールする事です。
例えば、喧嘩や争いにしても力を使えば、強引にその場を収めることはできます。
しかし、力で片付けるとお互いに何らかの犠牲は発生します。そこで、重要なのは、知恵を使い相手をコントロールし、どうしてもうごかなければ ならないような状況を作り出すことによって、少しでも犠牲を少なく場を収めることができるのです。
今の世の中、力で全て解決する事が多いような気がしますが、とても残念なことです。
よく敵人をしてみずから至らしむには、これを利するなり
~ 相手の欲望を見定めよ ~
相手を自発的に動かすような状況を作り出すことです。
ここで注意が必要です。相手に強制させるのではなく、自らが進んでやってくるようにしむけるのである。
相手を自発的に動かすとってもとても難しいものです。いかに相手の欲望を見極めるががポイントです。 人間必ず性格や好みが違ってくるので、そのポイントを見極めて動きたいものです。
よく敵人をして至るを得ざらしむには、これを害するなり
~ 相手の行為を中止させるには ~
これは、「よく敵人をしてみずからいたらしむには、これを利するなり」の真逆です。
「よく敵人をしてみずからいたらしむには、これを利するなり」が相手を率先して動かすようにしむけるのに対して、 「よく敵人をして至るを得ざらしむには、これを害するなり」は、相手の行動を強制的にやめさせる方法といっても過言ではありません。
但し、ここで注意が必要です。
相手を否定ばかりしていると「やる気」そのものを奪いかねないからです。そうなってしまうと人間関係にもヒビが入りかえって逆効果となってしまいます ので、否定をするにしても理由をつけることによって多少和らぐのではないのでしょうか?
強なればこれを避けよ
~ 手ごわい相手には正面からぶつかるな ~
勝利を治める方法はいくつかありますが、その中の一つとして「避ける」という方法です
相手が自分よりも遥かに強い場合は、避けるべきです。決して「長いものには巻かれろ」ではなく避けるのです。
ただ1点、注意していただきたい!!
これは、「逃げる」ということなのだが、決して卑怯ではない。逃げる事を恥と思わず、将来の為に危険から勇気を持って回避するのである。 そういった事により、目標に向かって努力(相手を倒す事も含む)し続けることです。
卑うしてこれを驕らせよ
~ 下手に出て相手を増長させよ ~
相手に勝利を治める方法の1つなのだが、「強なればこれを驕らせよ」とは全く違います。 「呉越同舟」の語源にもなっておりますが、相手を油断させた隙に自分の力を蓄え、やがてお互いの立場を逆転させるということです。 現代でも同様の事をいえますが、相手が調子のいい事を言ってきた時は注意が必要です。
算多きは勝ち、算少なきは勝たず
~ 勝算のない戦いはしないこと ~
実際に戦って勝利を治める場合ですが、ここで言う「算」とは、シミュレーションや調査・予測などを指します。
やはり、何かを始める時は、算が重要になってきます。もし、算を行わなければ、何事もなく無事に終わるということは滅多にありません。 それどころは、ほどんどの確立で失敗します。
生きていくうえで、シミュレーション、勘や経験に基づく予測をしていくことにより、成功をつかむのではないでしょうか?
兵は拙速を聞くも、いまだ巧の久しきを睹ざるなり
~ 兵は拙速を貴ぶ ~
一言でいうと、手っ取り早くしたほうがよい! ということです。
日常生活でも、時間があるとだらだらやってしまいがちだが、そんな時こそ時間を無駄にせず短時間で終わらせたほうが別の事もできるので とてもよく、自分自身の為にもなります。
尽く用兵の害を知らざれば、尽く用兵の利をも知ること能わざるなり。
~ メリットとデメリットは表裏の関係である ~
人の考えには、プラスの面とマイナスの考えがあります。そして、それが行動に影響を及ぼします。 あるアイディアを実行に移すとき、プラスの面しか見ようとせずに行動するとほとんどの確立で失敗します。
そこで注意が必要なのだが、全ての結果には、プラスとマイナスが必ず存在しますので、行動に移すまえにとれだけ、プラスの面とマイナスの面 を考えだせるかがとても重要です。
人間関係でも相手の長所だけでなく短所も知っていたほうが、生きていくうえで円滑に進むのではないでしょうか。
智者の慮は必ず利害を雑う。利を雑えて務め信なるべきなり。害を雑えて患解くべきなり
~ プラスはマイナスに、マイナスはプラスに ~
プラスとマイナスの両方の面を考えることにより、危険を回避することができますが、たいがいの場合は良いところだけ、もしくは 悪いところだけに目がいきがちです。
…ここで注意が必要です。
成功したときは、必ずとってもいいほど有頂天になってしまいます。こんな時の成功のプラスはマイナスになります。
但し、失敗した時にその中から教訓をくみとって次回に備えてば、失敗のマイナスはプラスとなります
彼を知り己を知れば、百戦殆うからず
~ 主観的、一面的、表面的な見方をしないこと ~
これは、人が生きていくうえで全てに当てはまります。
例えば、仕事のやり方、スポーツでの勝負事です。自分自身と相手をよく知っていれば、何度戦っていても危険な目にあうことはまずありません。
自分自身の事はよくしっているが、相手のことは、表面だけしか見ないで内面までは見ようとはしなかったり、またその逆も同じような場合は、 必ずといって危険な目にあうのは間違いありません。
敵を殺すものは怒なり。敵の利を取るものは貨なり
~ 人を動かす二つのカギ - 心と物 ~
人の欲望というのは、形のある物とない物の2つです。
「形のある物」というと、精神的な部分を占めます。また、「形のある物」は、文字通りで自分自身が欲しいと思う物です。
人を動かす場合、ただ単に物で釣ればいいというわけではありません。また、その逆で精神的に支えるけどもゴールが見えないというのも同様です。 ですから、相手を動かすには、「物」、「精神的な部分」を与える事が重要なのです。
兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。
~ 「なんのために」を忘れるな ~
戦いは勝つことが目的ですが、その中で戦う目的を見失ってはいけません。
人間関係、仕事、事業、金もうけなどいろいろありますが、全ての事について当てはまります。自分自身が今行っている事について、もう一度 自分自身に問いただし、何のためにやっているのか?なとど問い合わしてみてはいかがでしょうか。
百戦百勝は善の善なるものにあらざるなり。戦わずして人の兵を屈するが、善の善なるものなり
~ 百戦百勝は最上の勝ち方ではない ~
争いは、お互いに何らかの被害をもたらします。
ここで重要なのは、争いがおきそうになったら、必ず戦って勝利を得るのではなく、戦わずに相手の戦意を奪うことです。
戦わずに相手の戦意をなくさせることによって、全く犠牲を払うことなくきるのです。 また、戦うことによって目的を失ってしまう場合がありますので特に注意が必要です。
上兵は謀を伐ち、その次は交を伐ち、その次は兵を伐ち、その下は城を攻む
~ 殴りあいの喧嘩は下の下 ~
以前にも述べていますが、相手の正面からの戦いは避けるべきであり、なるべく戦いというものを避け、話し合いで片を付けるのが上策です。
喧嘩にしても同様で、殴りあうのではなく、話し合いで片を付けるべきなのです。あるテーマを元に舌戦が繰り広げられる会議(論争)などが いい例です。
用兵の法は、十なればこれを囲み、五なればこれを攻め、倍なればこれを分かつ
~ ゆとりを持って戦うこと ~
自分の能力(全ての事)を知ったうえで、どのように動くかを示したものです。
仕事、プライベートにしても自分の性格(能力)を知らなければ動きようがなく、身動きが取れなくなってしまいます。 その為にも、全てを知った上で行動する場合、ゆとり(冷静さ)をもたなければ意味がありません。
(動揺(パニック)してしまうと混乱を自ら招いてしまいますので注意が必要です。
小敵の堅は大敵の擒なり
~ メダカの魚まじり ~
自分の能力を知らずに強がっていると、優勢な相手にやられてしまうということなのだが、優勢な相手のみにあらず同等の相手にもやられて しまいます。
ですから、自分の能力を過信せずに正しく評価しそれなりの対応をしろということです。
但し、相手より弱いからといって、引き下がるのではなく、知恵をつかって策でもって対応する心がけが必要です。
上下のよくを同じうする者は勝つ
~ 人を動かすには共通の目標を・・・・・・ ~
この言葉はよく「上司と部下の心を一つにする」と思われがちですが、実が違っているのです。
実際は、心を一つにするのではなく、目標(目的・欲)を一つにするということなのです。 心を一つにしろ!とっても、人それぞれ違うため、絶対に不可能です。そのため、共通の目標(欲)を持つことによって大きな成功となる 足がかりを手に入れることができるのです。
心そのものの一致ではなくて、心の向かう方向をしめしているのです。
よく奇を出す者は、窮まりまきこと天地のごとく、竭きざること江河のごとし
~ 定石から出発して定石をこわす ~
自分自身の発展するための言葉ともいえます。
ここで言う「奇」は、決まりきった定石(事柄)ではなく、相手の状況の変化に応じて自由自在にかえてゆく妙手(奇抜な手段)です。
自分の発展(パソコンスキル)に例えると・・・
ある書類を作成する際に使うソフトの機能を学び、その次に習得した機能に独自のアイディアを加えて作成、その後で作成した方法を完全に 習得します。そこで新しい機能の習得するために最初に戻ります。
色は五に過ぎざるも、五色の変は勝げて観るべからず。味は五色に過ぎざるも、五色の変は勝げて嘗むべからず
~ アイディアを無限に生みだす法 ~
いろいろな色を合わせる事により、新しい色を作り出す事ができるのと同様に、アイディアも同じことがいえます。
自分1人の考えでは、1つの考えしかありませんが、チーム内、打合せ、会議等での話し合いなると1つのテーマに対して何通りもの考えが あります。
1人の場合でも例外があります。経験や勘によって何通りかの考えが出て新しい何かを生み出すことができることもあります。
戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は勝げて窮むべからず
~ 「正」と「奇」を組み合わせること ~
手段として正攻法と奇手の二通りがあります。
例えると、正方法・・・「力」、奇手・・・「策」と言いかえる事ができます。何事にしても正攻法のみではうまくいかず 、その逆で奇手だけでは、策に溺れて失敗してしまいます。そんなことから使い分け、組み合わせが重要となってきます。
仕事にしてもプライベートにしてもセオリーのみでなく、さまざまな経験や勘を組み合わせることが重要なのです。
鷙鳥は撃ちて毀折にいたるは、節なり
~ 緊張は力の源である ~
日頃ダラダラしていて期限がせまってくるとかんがえられないエネルギーを作り出し、急にピッチが上がったりします。
スポーツ選手によく見られますが、ここぞという時に普段では考えられない力を出す事ができます。
緊張はどんな時でも必要不可欠ですが、緊張しすぎてしまうと、すくんでしまい普段の力が発揮できずに終わってしまう事があります。 そんな状況を克服するには、やはり日ごろのトレーニングが必要なのです。
紛紛紜紜として闘い乱れて、乱すべからず。渾渾沌沌として形円にして、敗るべからず
~ 雑然としながらみだれていない組織は強い ~
雑然と入り混じっていて、しかも乱すことはできない。また、最初から最後までつながっていて捉えどころがなく、破ることができない
このような会社の組織は、パッと見は良いが一度崩れてしまうと後はズルズルといってしまいます。
以前は、大物と呼ばれる人物によく見られたタイプです。
よく戦う者は、これを勢いに求めて人に責めず
~ 個々人の能力を超える勢いの力 ~
全体に勢いがある場合は、個々の能力を無視したほうが良い。
単に集団というとどうしてもバラつきが出てしまいます。そのバラつきを吹き飛ばす瞬間(時)が勢いです。そんな時は、個々の能力の合計 よりも高いレベルが発揮されます。そこで注意したいのが、勢いを止めてしまう個人の存在です。 勢いというのは、プラスの方向、マイナスの方向の二通りありますので、マイナスの方向に進みそうになったら、勢いそのものを止めてしま いましょう。
よく戦う者は、人を致して人に致されず
~ どんな場合でも主導権を握れ ~
勝負事や話し合いなど、どんな事においても主導権というものが存在します。
自分の思ったとおりに進めるには、主導権を握るということが重要です。主導権さえ握ってしまえは、自分の事や相手達をコントロールする ことができます。
今の世の中、ありとあらゆる情報がありますが、いらない情報や相手の考えに振りまわれない考えが必要なのです。
その必ず趨くところに出て、その意わざるところに趨き、千里を行きて労せざるは、無人の地を行けばなり
~ 他人のやらないことをやろう ~
商売の方法で一番マッチングする事だと思いますが、人と同じことをしては売上も上がらず、下降していく一方です。
ここで注意が必要です。
いくら他では全くやらない事といっても、その地域で求められない事をしては意味がありません。そこで、地域性にマッチし且つ、他の人がやらないような 事をすれば商売もうまくものです。
これに角れて有余不足のところを知る
~ 実践してみて確かめること ~
まず、実践したことから、プラス・マイナスのデータを取ること。
失敗を恐れて、何もできない人もおりますが、そんな時だからこそ、まず動いてみる事が重要です。 たとえ失敗しても、その次に同じ失敗をしなければいい訳なので、まずトライしてみる勇気をもってその時の結果を見極めていきましょう。
兵を形するの極みは無形に至る
~ 下手に「かっこう」をつけるな ~
人それぞれだが、なにかと「かっこう」をつけたがります。というのも自分の力を誇示する為、または、身を守るときも同様です。
格好をつけるということは、今の自分ではない何かに変身(化ける)、又は、装飾するということです。一時的なものであればいいのだが、 ずっとそのような生き方をしていると、仮にも自分自身を偽っていることなので次第に苦しくなってきます。
そうならない為にも、素の自分をさらけ出す勇気を持っていきていきましょう。
患をもって利となす
~ 短所は長所に変えられる ~
「患」という言葉は、苦しみということから災いを意味しています。
自分の短所(自分にとってのわざわい)を活かす事が自分の個性となり、自分しかない武器となるのです。そんな事から自分の短所を短所 としてあきらめるのではなく、生きるうえで有効に活用していくことにより更に幅広く生活していくことができるのです。
軍争は利たり、軍争は危たり。軍を挙げて利を争えば及ばず。軍を委てて利を争えば輜重捐てらる。
~ 利点は不利になるおそれがある ~
時に、自分の長所(得意な事)が災いを起こす場合があります。
有利と危険は紙一重であり、タイミングと状況を間違えてしまうととんでもないミスを起こしてしまう場合が見受けられます。
ここで重要なのは、世の中の状況と自分の経験や勘、時にはいろいろな人の考えや意見を念頭において行動する必要があります。
諸侯の謀を知らざるものは、予め交わること能わず
~ 親しい相手ほど、本心を知る努力を怠るな ~
相手の中身を見ずに上辺だけで、それが全てと思っている人が多いです。
少し親しくなるとあたかも親友のごとく接している方がおりますが、その状況で相手の考えが自分の思惑と違うと多少なりとも裏切られた感じ がしてしまいます。そんな状況を起こさせないためにも、親しい時こそ本心を知ろうとする努力をしましょう。
山林・険阻・沮沢の形を知らざるものは、行軍すること能わず
~ 状況を知らずに動いてはいないか ~
何事をするにしても状況判断が重要です。
人が生きていく上で仕事、遊び、その他いろいろありますが、その時にどのような行動を取るかによって結果がまちまちです。 いろいろな局面を正しく生きるためにありとあらゆる分析をし、トラブルを起こさないようにしましょう。 但し、ありとあらゆる情報が舞っている今の世の中で正しい選択を行う必要もあります。
嚮導を用いざるものは、地の利を得ること能わず
~ 未知の分野にとびこむとき ~
今まで経験してきた分野とは、全く違う分野にて活動(スキルを身につける)する時、体当たりでやってみるよりも経験者に頼ったほうがよい し安全且つ効率よく覚えられます。
仮に、独自でやってみてると失敗することもあるが、失敗から経験する事もある。また、その際の精神状態に多少なりとも、自分自身に過信 してしまうと絶対に成長することはないでしょう。その反面、相手を頼った場合ですが、スキルを早く習得できるのは間違いありません。 但し、頼りすぎてしまうと自分自身に甘さがでてしまいますので、頼りすぎというもの問題です。
朝の気は鋭く、昼の気は惰り、暮れの気は帰らんとす。ゆえに、よく兵を用うるには、その鋭気を避け、その惰帰を撃つ。これ気を治うるものなり
~ 「気」を治めるとは? ~
人の気力というものは、朝はとても充実していますが、時間が経つにつれて次第に弱まっていきます。
機嫌の良し悪しも気力に比例していますので、大切な用事(用件)を朝の内に片付けてしまったほうが効率よく過ごせます。 大きな仕事も気力がある時とない時では、やる気がぜんぜん違ってくるでしょう。
治をもって乱を待ち、静をもって譁を待つ。これ、心を治むるものなり
~ 「心」を治めるとは? ~
勝負事においては、心が鎮めて勝負に挑まなければ勝てるものも負けてしまいます。
全ての面においていえますが、技術的な面よりも精神的(メンタル)な面がとても重要になってきます。必ずしも冷静にしなさい!というわけで なく、情熱をもって接し、それでいて冷静に! ということが大切なのではと思います。
現代訳
戦わなくてもいいなら戦わない(戦うのダリィし・・)
でも戦った方がいいなら勝てる相手かどうか考える
勝てるならなるだけ楽に倒す (最高の戦いは戦う前から結果が分かってるような)
勝てないなら逃げる(逃げれば負けない)
逃げれないなら負けないように戦う(勝ちに拘る必要はない、負けとは何かと言う事・・)
情報は多いほうがいい。 相手の情報を知らなければ、祈っても星占いしても、神頼みしても無駄。
戦は騙しあい、いかに有利に戦えるかを考え、相手を騙す
右に行かせたければ左に行かせて、 左に行かせたければ右に行かせる。 決して相手と同次元で張り合わない
でも戦うよりも自国を敵国より圧倒的に強くしたり豊かにしたりして、人の兵を屈する→最上の策
戦って百戦百勝→その次