「目は口ほどに物を言う」ということわざがありますが、まさしくその通り、なのだとか。

心理学の一種であるNLP(神経言語プログラミングの略)では、目線の動きから「相手が浮気をしているか」や、「相手が恋人を選ぶときに何を重視するのか」、「効果的なデートへの誘い方」が分かるということで、米国NLP(TM)協会認定マスタープラクティショナーの田口久人(たぐち・ひさと)さんにうかがいました。


目線の動きでウソを見破る

「人の目線は、過去のことを話すときは左に、未来のことを話すときは右に移動します。無意識の動きなので、変えることはできません。目の動きからは、人の意識のさまざまなことが伝わってきます。

相手が何かを思い返さなければならないような質問をします。このときの相手の目の動きに注目してください。たとえば『相手が嘘をついているかどうか』が分かります」(田口さん)

例えば、浮気を問いただす場合……

自分「昨日の夕方に電話したとき、誰と一緒にいたの?」
相手「……同僚の○○君とだよ」
自分「どこに行っていたの?」
相手「……会社の近くの居酒屋だよ」

というようなやりとりがあったとします。ここで田口さんは、

「会話を続けながら相手の目をじっと見てください。過去の話をするとき、『本来は過去のことを思い返すときは左を向くはずの目が、右を向いていれば相手はウソをついている』ことになるのです」と言います。

 同僚と居酒屋で飲んでいたという事実は過去のことですが、そう答える相手の視線が右に向いた場合は、「過去ではない何か。誰か」の存在があるからだと言います。
言葉ではごまかせても、目はウソをつけないのです。

「見た目」、「ステータス」、「スキンシップ」。何を重視する?

「人は、物事を判断するとき、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を使うと言われていますが、NLPではこれを『視覚』、『聴覚』、『感覚(触覚、嗅覚、味覚)』の3つに分類しています」という田口さんは、「その人がどの感覚を中心にして、表現、記憶、情報の整理などを行っているのかも目の動きで見分けることができます。これは代表システム(VAKモデル)http://cobs.jp/love/daijiten/2011/06/vaknlp.htmlという考え方を用いた方法です」と言い、具体的に「相手の感性を見分ける方法」を次のように説明します。

「相手に過去をじっくりと考えさせるような質問をしてください。例えば、『これまでに最悪な恋愛の経験を教えてください。相手はどんな人?』などの質問を投げかけます。

 このときに、相手の目を観察してください。

・左上を向いている人=視覚型
目に映る情報を中心に判断する傾向があります。

・左横を向いている人=聴覚型
耳から聞こえ伝わる情報を中心に判断する傾向があります。

・左下を向いている人=感覚型
体の感覚で感じる情報を中心に判断する傾向があります。

 以上の3つのタイプに分けることができます」

 続けて田口さんは、
「相手の特性をつかんだことを生かして、『この人は恋人を選ぶときに何を重視するのか』、『効果的なデートの誘い方』を考えることができます」とレクチャーします。

・視覚型……見た目重視。顔やスタイルをチェックします。イケメン、スタイル抜群の相手には弱いでしょう。相手が視覚型の場合、パンフレットや写真を見せてデートに誘う、印象に残るきれいな場所や夜景を見よう、と誘うと効果的です。

・聴覚型……ステータス重視。相手の年収、職業、肩書きなどを重要視します。予約が取りにくいレストランや値段が高いコンサートなど、相手のプライドをくすぐるようなデートプランを立てて誘いましょう。

・感覚型……スキンシップ重視。相手との相性を自分の体で感じとろうとします。感覚型の相手にはデートの最中が勝負どころ。さりげなくスキンシップをはかり、楽しさを体験してもらうことが鍵となります。

「視覚型の人が『ワタシ、相手は顔じゃなくて性格で決めるから』と言う場合は、ウソを言っている可能性が高いんです。目の動きを観察しながら話を聞くと、相手の本音や、相手が何を求めているのかなどが見えてくるようになります」と田口さん。

 相手の目線を追いながら相手の本音を見極める……。

「決して難しいことではありません。そういう事実を知っておいて、コミュニケーションをより高めようと働きかけることが大事なんです」と田口さん。何やら使ってみたくなるNLPの「代表システム」。相手の心を探る一つのコミュニケーション手段として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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