UFO透視事件

・遠隔透視者マクモニーグル氏が透視した恐怖の人間消滅事件

日本でも超能力捜査番組で有名な彼だが、現役時代に透視した恐怖の一つにこのような話がある。1981年(昭和56年)のことである。南米アルゼンチンのサン・マティアス湾で、異常な事件が起きた。

アルゼンチンの軍艦が航海中に、何らかの異常事態に遭遇して、乗組員全員が忽然と姿を消したのである。漂流している軍艦を発見した捜索隊は、直ちに艦内に乗り込んだ。


しかし、乗組員たちの姿は何処にも無く、船体にも異常らしい異常は見られない。事件発生の直前まで、乗組員たちは普段どおりの生活をおくっていたらしい。要するに、何らかの異常事態が突然に起きて、乗組員たちは何もかも放り出して消えてしまったのだ。

だが、一体何が起きたのか全く見当がつかない。事件は懸命な捜索と、科学的な原因究明も実らずに、そのまま迷宮入りとなったのである。事件から2年後のことである。アルゼンチンで起きた軍艦乗組員失踪事件に、興味を持った軍人がたちがいた。

アメリカ陸軍の遠隔透視能力者であるジョー・マクモニーグルは、透視の対象を知らされないまま、いつも通りに遠隔透視を始めた。だが、その直後、マクモニーグルは激しいショックを受けた。

穏やかな海を航行中の軍艦が、何処からとも無く現れた、青みがかった正体不明の霧に襲われている!あたかも目の前で、実際に起きているかのようなリアルな映像が、次々とマクモニーグルの目の前で広がっていく。

霧を出していたのは、SF映画に出てくるような宇宙船の形をした「謎の飛行物体」だった。ホバークラフトのように、フワフワと軍艦の上に浮いている物体は、未知のエネルギーを軍艦に照射していた。

物体の正体を突き止めようと、さらに透視を始めたマクモニーグルは驚きの声を上げた。なんと飛行物体は、異次元から進入してきた宇宙船だったのだ。どうやら異次元世界から時空の壁を突き破って、我々の3次元世界へと侵入して来たようだった。

謎の飛行物体が軍艦を攻撃している印象を受けたマクモニーグルは、物体の操縦席に意識を向けた。すると、なんとも冷酷な空気感が伝わってきた。そのあまりの冷たさにマクモニーグルは戦慄した。

「彼ら」は人間的な感情の一切を持ち合わせていなかったのだ。無機質・無感動で、ただ「目的」を淡々と実行する冷たさだけが伝わってきた。その「冷たい視線」の先には狂気に陥って逃げ惑う乗組員たちの悲惨な姿があった。

目を覆うばかりの惨状に、マクモニーグルは絶句した。異次元エネルギーを浴びて発狂した乗組員たちは、叫び散らしながら次々に海へ飛び込んでいく。放射された未知のエネルギーは、極度に不快な気分をマクモニーグルにも催せた。

透視意識を乗組員たちの精神状態に合わせると、何もかもが狂っているという感覚が全身を覆い、マクモニーグルは正常な意識と判断力を失いそうになった。

やがて物体は、海に飛び込んだ乗組員たちに光線を浴びせて船内へ吸い上げると、何処かへ飛び去って行った。その物体が消えたとたん、マクモニーグルは正常な感覚を取り戻したが、目の前には穏やかな海に浮かぶ、乗組員のいない軍艦だけが静かに漂流していた。

透視実験の記録を読むと、マクモニーグルは透視中に見た謎の飛行物体を言い表すのに、適当な言葉が見つからず混乱している。

その当時も「UFOは何処かの星から来た宇宙人の宇宙船である」という固定観念が一般にあるせいか、マクモニーグルは透視中に見た物体が、我々と同じ3次元の物質世界に存在する宇宙船ではなかったことに戸惑いをを見せている。

「UFO」(物質世界の何処からか飛来した宇宙船の意味)という言葉を口にしかけて、慌てて「UFOとは違う!」(物質世界の宇宙船ではない)と言い直しているのだ。

その飛行物体は、異次元世界から飛来した「非物質性」のものであるから、マクモニーグルは「物質性の宇宙船」と言い切ってしまうのに大きな違和感を覚えたのである。

マクモニーグルの遠隔透視が正確なら、一般にUFO現象と呼ばれているものは、明らかに異次元(他次元)世界が関係した現象であり、我々と同じ物質世界に存在する異星人の乗り物というような、単純な存在ではないことは明らかだ。

遠隔透視部隊では、UFO現象も透視対象に含まれていたというから、マクモニーグルをはじめとする、第1級のリモートヴューアーたちの報告は、透視部隊を指揮し統括する軍や政府上層部、そして「UFOの起源」を研究する学者たちの目にとまらないはずがない。

・神隠しは異次元異星人の仕業!?

マクモニーグルは、アルゼンチンで起きた軍艦乗組員失踪事件を、異次元から飛来した異星人の犯行であると断言する。これと同じような事件は、昔から世界各地で報告されている。なかでも1955年(昭和30年)に起きたジョイタ号の事件は海上で起きた消滅事件として有名だ。

1955年11月、南太平洋のサモア諸島の洋上で、漂流している一隻の船が発見された。確認したところ、この船は1ヶ月前にサモア独立国(当時の西サモア)の首都のアピアを出航したまま、プッツリと消息を絶っていたジョイタ号だった。

このジョイタ号は首都アピアから430キロ離れたトケラウ諸島に向かう途中で、忽然と姿を消したのだった。発見時、全長が20メートルの船体は多少は傾いていたが、未だ十分に航海できる状態だった。でも船内の様子は異様だった。

5名の乗組員と20名の乗客は、1人残らず消えていたが、持ち物はほとんどそのままに残されていて、外に持ち出された形跡は無かったのである。

生活用具も使われっぱなしのままであり、ついさっきまで、ごく普通に日常生活が営まれていたような状態だった。どうやら何らかの異常事態が突然起きて、そこで時間が止められた感じなのである。


ジョイタ号事件は、背景には政治的な力が加わった犯罪事件であるとか、神隠しに違いないなど、いろいろな推理が出されたが、結局のところ真相は謎のまま迷宮入りとなった。

ところが事件から4年が過ぎたころ、事態は思わぬ展開を見せることとなった。1959年(昭和34年)1月、ニュージーランドの海岸に漂着した1本のビンが「失われた時」の謎に1つの手がかりを与えたのである。ビンの中にはメモが入っていたが、なんとそれはジョイタ号の乗組員が走り書きしたメモであった。

内容は異様なもので「奇妙な物体が我々を連れ去ろうとしている…」というものであった。この手紙が事実であるとするならば、ジョイタ号はマクモニーグルが透視したアルゼンチンの消滅事件に手口が酷似している。

この時軍艦の乗組員たちは、異次元から現れたUFOのような物体によって連れ去られていたが、ジョイタ号の人々も「彼ら」によって連れ去られたのであろうか?

先のジョイタ号事件の原型ともいえる事件が、メリー・セレステ号事件である。

この事件は海洋における最も古い神隠し事件として知られており、数々のホラーやオカルト小説・映画に影響を与えた事件です。

1872年(明治5年)12月5日、ポルトガルの東1000キロの太西洋上に浮かぶアゾレス諸島(当時ポルトガル領・現自治化)で、1隻の漂流船が発見された。

この船は1ヶ月前に出港したまま行方不明となっていた、メリー・セレステ号だった。長く漂流していたのにもかかわらず、船体の状態は良好だったが人のいる気配はない。

中に入った捜索隊は息をのんだ。あたかも、ついさっきまで、ごく普通に日常生活がおくられていたような状態だったのだ。
食堂では、今まさに食べ始めようとしていた状態で料理が置かれており、いつものような毎日が、唐突に断ち切られたような感じだった。

おそらく乗員は失踪に繋がったと思われる異常事態が起こる直前まで、何事も無く生活をおくっていたのであろう。結局、メリー・セレステ号事件は迷宮入りとなり、未だに真相はわからずじまいのままだ。


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